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星野社長から学ぶ!洋上風力発電が日本で注目されている理由

最終更新日 2024年11月19日 by ormand

世界的にも注目を集める再生可能エネルギーには様々な種類がありますが、その中でも特に日本で注目を集めているのが「洋上風力発電」です。
洋上風力発電は大型の羽を回すことによって発電を行う仕組みである風力発電を、海上に設置する方法です。
風力発電はデンマークにおいて1990年代に初めて実施されてから、ヨーロッパを中心に導入が拡大している再生可能エネルギーです。
ただ日本において風力発電は騒音問題から設置できる場所が限定されてしまうことや、建設において資材の運搬が難しいということから積極的な導入はされてこなかったのですが、洋上風力発電の場合海に囲まれた島国という特性を上手く活用できて、海上ならば騒音や資材の運搬の全てをクリアできるメリットがあります。
さらに2019年には、「海洋再生エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」が施行され、事業者が風力発電設備の設置しやすい状況が整ってきています。

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他の再生可能エネルギーよりも安定性が高い

洋上風力発電の特徴の1つに他の再生可能エネルギーよりも安定性が高いことが挙げられます。
太陽光発電や地熱発電は季節や時間、気候などに発電量が影響されやすいデメリットがあり、人類の技術が進んだ現在でされ天候や季節をコントロールすることは不可能なので、状況によっては発電量の安定供給ができない可能性があります。
しかし洋上風力発電は海上で昼夜を問わずある程度の風量が見込めるので、常に安定した発電が行えることや、2019年に施行された再エネ海域利用法によって最大30年間の占有が認められるため、長期的なプロジェクトとして実施できることも大きな強みです。

日本の洋上風力発電は海外と比べると後れをとっている状態

日本の土地や気候に適している再生可能エネルギーとして設置が進み始めた状況ですが、海外と比べると後れをとっている状態です。
2020年12月時点で7箇所に28基設置されており、発電量は58.6MWと風力発電全体のうちで約1.3%程度の数値となります。
海外では2008年に1.5GWだった発電量が2018年には23.1GWと10年間で約15倍を超えている状況で、日本での発電量が58.6MWである状態を比較すると約400倍もの数値です。
洋上での風力発電の中心はヨーロッパであり、全体の8割を占めていますが近年では中国や台湾といったアジア圏から、アメリカでも設備設置のプロジェクトが進行しており、日本でも陸上とは異なり洋上は発電設備の設置に対する制約が少ないため、昼夜や季節を問わずに安定した風量が見込めると、今後本格的な導入が期待されています。

2030年までに10GW、2040年までに30~40GWに拡大する目標を打ち立てる

洋上での風力発電は現時点で諸外国に比べて遅れている事実はありますが、今後日本はどのような取り組みを行っていくのかというと、日本国内では政府と民間企業で構成される協議会において、2030年までに10GW、2040年までに30~40GWに拡大する目標を打ち立てました。
2030年の10GWは現在の年間58.6MWから約170倍と非常に高い目標となりますが、活用を促進するために新しく法律が施行されたこともあり、秋田と青森、長崎と千葉といったエリアで設備開発は着々と進んでいます。
またヨーロッパで既に洋上での風力発電をリードしている会社も日本市場への参画を果たしており、取り組みはより活性化していきます。

得られた電力をどうやって届けるのか?という課題

日本は四方を海で囲まれた島国としての特性を活かすためにも、洋上風力発電によって得られる電気はクリーンエネルギー業界にとって大きなメリットになりますが、現在取り組むべき課題の1つに得られた電力をどうやって届けるのかという点があります。
陸上とは異なり洋上はいたるところに送電線が準備されているわけではないので、電力を送るための設備も一緒に設置する必要があります。
実際に行われている対策として、洋上に発電所の仕組みを作りエネルギー減退を極力減らした形で陸上まで届けるという取り組みを進めています。
日本の海域は急激に深くなる地形が多く、土台を設置する風力発電設備の建設が難しいといった課題もあります。
同じく島国であるイギリスは、国を囲む海域が浅瀬である特徴があることから、この発電設備を設置するのに向いている特徴を持っている特徴があります。
そのため日本では技術の発達に伴い浮遊式と呼ばれる土台を海域に設置しないタイプの発電設備の開発を急いでいますが、実用化にはまだ時間がかかる見通しです。
しかし近年は政府のバックアップもあり発電業者の取り組みは推進されており、多くの企業が独自の調査や海外との企業と提携をすることで、支援や協業といった形でアライアンス確立がスムーズとなります。

まとめ

再生エネルギーの日本の切り札ともいえる新しい発電方法は、安定した風量があり騒音が問題になりにくい点で大きなメリットがあり、洋上での風力発電は今後も拡大が期待されています。
日本は海洋国家だからこそ、設置場所の制約や漁業関係者との利害調整などもクリアした上で、うまく取り入れていくことも同時に考えていく必要があります。

 

参考記事
Influx星野敦